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(2005〜)陸上に生息するヘビは,時に川面を泳ぐ姿を見せる.ウミヘビのように水中で活動するヘビもいる.実は原理的には,体をくねらせて推進力を発生する仕組みは,地上でも水中でも,ほとんど同じである.ACM-R5は,この事実に注目して開発された水陸両用のヘビ型ロボットである(Fig. 1).地上及び水中において,ヘビと同様に体をくねらせて推進することができる(Fig. 2, Fig. 3).
ACM-R5の特徴の一つは,蛇腹とユニバーサルジョイントを組み合わせた関節である(Fig. 4).この関節機構は先行開発機HELIX(スピロヘータ型遊泳の検証用モデル)において開発された機構を改良して設計された.ユニバーサルジョイントで関節を構成し,蛇腹で覆って水の浸入を防ぐ構造となっている.先行開発機ACM-R4で採用された回転軸用のシールと比べ,蛇腹には関節の可動範囲を大きくできないという制限があるが,2軸のジョイント(ユニバーサルジョイント)の防水が可能である.水中で効率良く泳ぐためには体全体の形を滑らかに保つ必要があり,それにはユニバーサルジョイントが適している.実際にはユニバーサルジョイントを蛇腹で覆った機構は過拘束となるので,ここではユニバーサルジョイントの中央に捻じれ方向の受動軸を設けた特殊な構造を採用している.
ACM-R5のもう一つの特徴は,体を覆うように装備された受動車輪と水掻き板である(Fig. 5).体をくねらせて推進力を得るためには,体が描く曲線の接線方向には滑りやすく,法線方向には滑りにくい性質が必要である.受動車輪付き水掻き板を備えることにより,ACM-R5は地上と水中の両方においてこの性質を実現している.
制御系も,従来のヘビ型ロボットの研究を基に工夫がなされている.ACM-R5は関節ユニット一つ一つがそれぞれCPU,バッテリ,モータを備え,ある意味独立したロボットである.各ユニットは通信線を通して信号をやり取りし,自分が先頭から何番目の関節なのか,全体で何個の関節があるのかを自動的に認識する.このため,関節の除去・追加・交換が自由であり,状況に応じた柔軟な運用が可能である.
ACM-R5は,愛知万博2005において,2005年6月9日〜2005年6月25日の11日間に渡り一日あたり4回から5回,20分間程度の実演を行い,好評を博した(Fig. 6).この間,アクシデントなどで数個の関節ユニットに不具合が発生したが,関節の除去・交換によりスケジュール通りの運用に成功した.
ACM-R5は高性能な制御系を搭載し,水陸両用のヘビ型ロボットとして一定の性能を示している.しかし,実際に役立つヘビ型ロボットの実現には,ハードウェア・ソフトウェアの両面において,現在も多くの課題が残っている.
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