(1997〜)大地震など大規模災害時にはできるだけ早く、倒壊した建物の中に閉じ込められた人を探し救助する必要がある。しかし、瓦礫の中に入り込んで探索することは著しく危険であり困難である。そのため、遠隔操作によって倒壊家屋に潜入し、TVカメラやマイクロホンによって生存者を探し出すことのできる機器の開発が望まれている。
開発した「蒼龍I号機」はそのような目的を達成するため、Fig.1に示すような構成となっている。本機はそれぞれがクローラーで囲まれた3つの車体からなり、前部車体にはCCDカメラや集音マイク等の被災者探索機器を、中央車体には全駆動系とバッテリーを、そして後部車体には無線装置を搭載している。これにより自立走行が可能で、無線操縦により災害現場の探査が行える。全てのクローラーは、中央車体内の単一モーターの回転をユニバーサルジョイントで接合されたトルクチューブで前後節に伝える事で、同時に回転して前後進運動を生成する機構となっている。前後のクローラは特別な動力伝達機構で先細な構造としている。また、3つの車体の接合部はFig.2に示す特殊な2次元(2D)屈曲運動を行う関節機構で連結されている。この接合部は前後節とも、Fig.3に示す中央車体内に搭載された一対のモーターで駆動されるネジ機構によって同時に対称的なヨー軸とピッチ軸回りの屈曲姿勢を生成する。これらの細長い形態と運動性能によって、蒼龍?号機は3自由度しか有していないにもかかわらず、地形に適応した体型をとる事ができ、またPhoto.2の様に寝返り動作等も行える。つまり、へび型移動体特有の高い不整地走行性を発揮し、災害現場の探査作業を大きく補助するものと考えられる。
「蒼龍II号機」(Photo.2)は実験により得られた経験を基に実用的なものとして新たに再設計した物で、車体間の連結分解が簡易にできる機構を有し、コンパクトな収納運搬性を持ち、また作業目的に応じた車体交換が行える。「蒼龍II号機」は日本科学未来館に展示している.