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水平多関節式展開型惑星探査ローバー Tri-Star III BACK TO PLANETARY EXPLORATION ROBOT

(2004〜) 惑星上を広範囲かつ詳細に探査する手段として,探査装置を積んで移動する方式を取るローバが有効であると考えられている.これまでに車輪・脚式・クローラ式など,様々な種類の移動形態の惑星探査ローバが研究・開発されてきた.本研究においては,搬送される際にはコンパクトな形態をとり、走行する際には大きく展開して安定性・走破性を高めて移動する展開型ローバ(Fig.1)を提案している.

 Tri-StarVはローバ本体に静的安定に必要な最小限の個数である3本の水平多関節アームを装備し,それぞれのアームの先端に垂直支持軸を有する車輪モジュールが搭載された構造となっている(Fig.2,3).この構造により,3輪すべてがサスペンションなどの比較的複雑な構造を持たずとも全て走行面に接地することになり,展開する路面が水平であれば,展開中にローバ本体の重心位置が変わらず,少ないエネルギーで展開することが可能である.また各関節には関節を直接回転させるアクチュエータを搭載しているわけではなく,関節の回転のフリーとロック,またその中間の摩擦保持状態を取ることのできるブレーキ機構を装備している.ブレーキ機構により関節のヨー軸回りの回転をフリーにし,車輪の駆動力を同時に活用することで関節の角度変化を実現させる.車両に推進力を発生する際には,逆に関節をロックにした状態で車輪を回転させる.

 以上により,3輪という軽量且つ低コストでありながら,展開機構により得られる大きなホイールベースによって,被搬送性の良さと,安定性・高い不整地走破性を兼ね備えた移動ロボットが実現できる.また,Tri-StarVにおいては,展開用の機構を不整地走破にも用いることを検討しており,最終的にはブレーキ機構と車輪の駆動とを協調的に動作させることによる劣自由度動作の実現を目指している.設計・製作した実機の展開動作および斜面走行(設定した斜面の角度は 約38[deg])の様子をFig.4,5にそれぞれ示す.この他にも段差踏破や雪上走行試験なども実施し,基本性能を確認している.

Fig.1 障害物乗り越え時における展開の効果

Fig.2 Tri-Star III の概念

Fig.3 Tri-Star III 実機外観

Fig.4 展開動作

Fig.5 斜面走行動作

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