CONTACT US ENGLISH (under construction)
レンズ取り置き用ハンド・アームシステム
Movie 1 レンズ取り置き作業
Movie 2 縁を把持しての縦・横置き
Movie 3 非円形プーリ‐バネ系による自重補償原理

 (2007-)デジタルカメラなど光学精密機器の生産では,円盤状のレンズを頻繁に扱う.この際,レンズ表面を傷つけないようにレンズの縁を持って取り扱う必要があり,現状ではすべて人手によって行われている.
 レンズ取り置き用ハンド・アームシステムは,人と共存する環境でレンズの置く場所や向きを変える作業を行うことを目指して開発された(Fig.1). レンズの縁のみをもって縦から横,横から縦に姿勢を変え,所定の場所に運ぶことが出来る.通常このような作業を実現しようとすると,2本指のグリッパでつかみ,グリッパそのものを手首で回転させることでレンズの姿勢を変化させる.しかしレンズそのものは軽量であるのに,グリッパの方が格段に重いため効率的ではない.そこでこのハンドはレンズをつかんだ指先だけを回転させることで省電力化に成功した(Fig.2). また指先が回転ローラになっていることで縦に置かれた状態からもレンズを巻き上げるようにして掴むことが出来る.
 また人と共存する環境で安全に用いるためには,アクチュエータは極力小さい方が望ましい.そこで構造材を軽量なCFRPパイプで作成し重量物であるアクチュエータを根元に配置できる平行リンク型の構成とした.小さなアクチュエータでも駆動できるように,非円形プーリとバネを用いて手先の自重を補償しているため,あたかも無重力中で動かしているかのような軽快な動きが可能である(Fig.3). 人間の腕の長さとほぼ同じだけのリーチで,従来の産業用ロボットに比しておよそ5分の1以下の超軽量・低消費電力なハンド・アームシステムである.

Fig.1 レンズ取り置き用ハンド・アームシステム

Fig.2 円筒回転指先を持つグリッパ

Fig.3 非円形プーリとバネによる自重補償

Fig.4 アームの諸元

References:

  1. 遠藤玄, 山田浩也, 矢島明, 尾形勝, 広瀬茂男: 非円形プーリ-バネ系による自重補償機構と4節平行リンク型アームへの適用, 日本ロボット学会誌, Vol.28, No.1, pp.77-84 (2010) [PDF]
  2. 遠藤玄, 広瀬茂男, 山田浩也: 筒回転指先を持つ円盤状物体ハンドリンググリッパの開発, SICE SI部門講演会, 1N1-3 (2009)
  3. 遠藤玄, 山田浩也, 広瀬茂男: 軽作業用ハンド・アームシステムの開発-円筒回転指先をもつグリッパによる円盤状物体ハンドリング作業-, 計測自動制御学会論文集 , Vol. 47, No.12, pp.640-647 (2011) [PDF]
  PAGE TOP